保護猫と保護猫を支える人を応援したい!『保護猫(にゃん)活動応援隊!にゃんとハッピー部』のこえりんです。
保護猫を迎える前に、お互いの相性をじっくり確かめたい。保護猫の力になりたいけど、飼うのは難しい。そんな方たちにおススメなのが保護猫カフェです。
保護猫カフェでは一定時間保護猫と過ごせるので、自分と気が合う保護猫と出会える可能性が高くなります。
また動物を飼育できない状況の方でも、保護猫カフェを利用するだけで保護猫やお店の方を応援することができます。
そんな保護猫カフェの魅力をさらに探るべく、実際に行ってお話を聞いてきました。
今回取材させていただいたのは、兵庫県明石市の『保護猫カフェ・カーロ』さんです。(取材日時:2022年3月14日)
ではさっそく行ってみましょう!
目次
『保護猫カフェ・カーロ』の場所と利用方法
明石駅から出て、活気のある街並みを歩いて行くと、徒歩10分ほどでやさしい色合いの猫の看板を見つけました。
2匹の猫がそれぞれコーヒー、本を手にしているかわいらしいイラストが描かれています。右側の扉から入って、2階が『保護猫カフェ・カーロ』の入口です。
入口にはかわいい猫のウェルカムボードがあり、料金表、注意事項などが書かれていて、保護猫カフェが初めての方にも、安心して利用できるようになっています。
中に入ると、検温器、アルコール消毒、コート掛け、粘着クリーナーが用意されていました。
スリッパに履き替え、検温、アルコール消毒をして保護猫がいる部屋へ。荷物は部屋の中のスペースに預けることができます。
料金は前払い制です。私は、1.5時間利用で、猫のおやつ、ドリンク付きにしました。
支払いが済んだら、店主のカロ(ニックネーム)さんが保護猫のプロフィールカード(写真、名前、生まれた年、性別、性格が書かれている)を渡してくれます。
さあ、あとはお気に入りの保護猫と遊びましょう。
いきなり猫の正面から触れるとびっくりする猫もいるので、徐々に近づき猫の真横あたりからそっと触れてみるのがおススメです。
『保護猫カフェ・カーロ』店主のカロさんにインタビュー
きっかけは2匹の保護猫との出会い
カロさんは、ご自宅に猫が2匹いるそうですが、当時猫を飼うのが初めてだったそうです。
その2匹の猫を譲渡してもらったことがきっかけで、2016年の9月に『保護猫カフェ・カーロ』をオープンしたカロさん。
どんな経緯でこのお店を始めたのでしょうか?
“自宅で飼っている猫は、9カ月くらいの大人猫になってから譲渡してもらいました。大人猫はトイレのしつけも出来ているし、性格もある程度落ち着いて、体もしっかり出来上がっているので、飼いやすいんです。
ただ、実際に猫ボランティアさんに話しを聞いたり、自分で調べると、大人猫は譲渡が難しいという事実を知りました。確かに譲渡会などへ行くと、子猫は遊んでくれるけど、5~6カ月くらいになるとジッと固まっていることが多いです。
どんなに家では甘えたり、遊んだりする猫でも、譲渡会ではその姿は見せられないので、里親さんが決まりにくい。
そんな大人猫という選択肢がもう少し広まったらいいなと思い、大人の猫だけの保護猫カフェを開こうと思ってこのカフェを始めました。
また、大人猫に限らず、片目が悪かったり、足が一本ないとか、そういうハンデのある子も里親さんが決まりにくいので、そういう子達ともハンデを気にせずに遊んだり触れ合ったりして、魅力を知ってほしいという思いもありました。”
大人猫やハンデのある猫は里親さんが決まりにくいというのは、聞いたことはありました。
ただ、カロさんのように保護猫カフェを開くぞ!と行動に移せる方は少ないのが現実です。とても勇気がある女性だと思いました。
『保護猫カフェ・カーロ』の空間
今現在はコロナ渦ということもあり、入場の人数制限のため、約8名様のお客さんが同時利用できます。
カフェ内は十分な広さがあり、8名入ってもかなり余裕がありますね。
さらに、この空間、猫が過ごしやすいように工夫されているし、見た目もかわいい。遊ぶところがいっぱいあって、保護猫もかなり過ごしやいのでは?
お店の空間へのこだわりについても、聞いてみましょう。
“うちのカフェの特徴としては、既成のキャットタワーではなく、オリジナルで作ってもらった内装です。猫同士相性が合わない子もいるので、トイレを端に集中させていて、お互い顔を合わせずにこの部屋の中をぐるっと一周できるようにしています。
どうしても怖がりな子とか、休憩したいなという子は高い所にいます。あ、今ここに一匹いますが…(笑)。こんな感じで、猫が落ち着ける場所を作っています。”
カロさんに言われて上を見上げると、保護猫が上から見つめていました(笑)
猫は高い所にいるほうが落ち着くようですね。
『保護猫カフェ・カーロ』にいる保護猫は、それぞれが自由に過ごしていて、とても穏やかに見えました。猫たちの相性を考え、配慮していることがとても良くわかります。
『保護猫カフェ・カーロ』と保護猫を支える人たち
カロさんによると、ここにいる保護猫のほとんどが外で産まれた元野良猫だそうです。
ボランティアさんが保護して、育てて譲渡会に出すけれどご縁がないまま大きくなったケースや、飼い主さんが亡くなったり、飼えなくなったりして引き取ったというケースもあるそうです。
中には個人の方から直接、今すぐ野良猫を引き取ってくださいという依頼の電話もあるそうです。そういった場合はどうするのか、さらに猫を預ける際の料金設定なども聞いてみました。
“もちろん電話の問い合わせはあるんですけど、ただ、野良猫の場合、保護してすぐにこのカフェに入れられる訳ではないんですね。猫の感染症の検査や、避妊、去勢の手術も必要なので、そういったお話を電話でさせてもらって、そこまで責任を持ってしてもらえるならうちで預かりが出来ますという話をさせてもらっています。
また、うちは終生の飼育施設ではないので、月3,000円のお預かり費をいただきながら運営しています。猫ちゃんの生活費として、お預けいただいた保護主さんや、もともとの飼い主さんに負担していただいています。”
保護主さんや元飼い主さんは、このカフェにお客さんとして会いに来ることもできるそうです。飼えなくなって、泣く泣く別れた飼い猫や、自分が保護した猫にいつでも会えるのは嬉しいですよね。
『保護猫カフェ・カーロ』では、保護する人、預かって里親さんを見つける人、というそれぞれの役割分担ができています。保護猫カフェを運営していく上で、とても良いシステムだと思いました。
里親募集・トライアル・譲渡について
『保護猫カフェ・カーロ』には、常時13~15匹の保護猫がいます。スタッフ猫はいなく、みんな里親募集中です。
これまで里親さんに譲渡された保護猫は101匹だそうです!すごいですね!
今現在トライアル中の猫もいるそうですよ。
トライアルというのは、気に入った保護猫を一定期間お家に迎え入れ、一生一緒に暮らせるか、環境、相性なども含めてテストすることです。
ただ、猫によってそれぞれ譲渡の条件があるので、そこがクリアできるか、トライアル前に話をする必要はあります。
このカフェでは、トライアルすると、90%以上の確率で里親さんが決まるそうです。
今までも101匹中、5匹ほどしか戻ってきていないとカロさんはいいます。
何か秘訣があるのか尋ねると、里親さんにトライアル中もまめに連絡を取っているとのこと。里親さんには、保護猫をケージに入れた状態からスタートしてもらい、ケージから出すタイミングや、先住猫との会わせ方などを、細かくお話しているそうです。
ちなみに、先住猫がいるお家と、いないお家とどちらが多いのかというと、先住猫がいないお家だそうです。猫が初めての人や、前に飼っていたけど、亡くなってしまったのでまた飼いたいという人が多いのだそうです。
里親さんが決まれば、新しい生活が始まります。
そうすると、保護主さんから手が離れてしまい、ちょっと寂しくなる保護主さんもいそうですね?
“手が離れてからも、里親さんに写真を送ってもらう等で近況を保護主さんにお知らせできますし、猫を初めて飼う方、そうでない方でも、猫に関する(健康上の)心配ごとがあれば相談してもらい、保護主さんと連携を取ってお答えさせていただくこともあります。
そういった感じで、新しい里親さんとも繋がっている感じです。譲渡してそれで終わりというのではなく、その後のケアも大事だなと思います。”
譲渡後も、保護主さん、カロさん、里親さんとみんなが繋がっているとは、すばらしいですね!
里親さんも譲渡直後は不安な事も多いでしょうし、譲渡後でも相談できる相手がいると思うと安心ですね。
やっぱり保護猫と触れ合いたい
横のつながりを大切にするこのカフェには、開業当時からの常連さんもいるそうです(実際、私もお会いしました!)
お客さんの割合としては、保護猫カフェを楽しむために来ている人と、里親希望の人と、どちらが多いのでしょう。
カロさんによると、9:1の割合で保護猫カフェを楽しむために来られている方が、圧倒的に多いそうです。
そうですよねえ。わかります。
猫が大好きでも日本の賃貸物件はペット不可物件が多く、飼えない方も多いですから。ペット可物件があっても、駅から遠いなど条件が悪いことも多いですし。こういうお店がないと、なかなか猫と触れ合えない人も多いでしょう。
大人猫の魅力を知ってほしい
最後に、カロさんに保護猫カフェ興味がある方や、里親希望の方などに伝えたいことを聞いてみました。
“保護猫の中でも大人猫の魅力が広まってほしいです。大人猫は擦れてしまって遊ばない、懐かないとかとか言われますけど、まったくそんなことはないので、実際に来て触れ合ってほしいです。”
『保護猫カフェ・カーロ』の店内&保護猫の紹介
店内は広く、心地よい空間でした。
猫の本や雑貨もあります。
保護猫のジジちゃん、寅次郎くんはプロフィールカードと一緒に撮れました。
音羽ちゃん。猫風邪の後遺症で左目が委縮してしまったそうですが、とても人懐こくかわいい子でした。
何かを見つけた?アイちゃん
何かを見つけた?シューマッハ君
台の上でまったりな寅次郎くんと後ろで見つめるふくみみ君
まとめ
大人猫やハンデがある保護猫に寄り添う『保護猫カフェ・カーロ』。
店主のカロさんは保護猫に対する愛情はもちろん、保護主さんや里親さんにも細かい気配をし、横のつながりを大切にする方でした。
カロさんはとても気さくな方で、私も実家の猫の事を相談させてもらったりしながら楽しい時間を過ごしました。
カフェではのんびりくつろいでもいいし、猫と戯れてもいいし、カロさんに猫の悩み相談をしてもいい。それぞれが自由にゆったり過ごしていいと思わせる心地よい空間でした。
保護猫カフェ・カーロHPはこちら
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