保護猫と保護猫を支える人を応援したい!『保護猫(にゃん)活動応援隊!にゃんとハッピー部』のこえりんです。
保護猫を迎える前に、お互いの相性をじっくり確かめたい。保護猫の力になりたいけど、飼うのは難しい。そんな方たちにおススメなのが保護猫カフェです。
保護猫カフェでは一定時間保護猫と過ごせるので、自分と気が合う保護猫と出会える可能性が高くなります。
また動物を飼育できない状況の方でも、保護猫カフェを利用するだけで保護猫やお店の方を応援することができます。
そんな保護猫カフェの魅力をさらに探るべく、実際に行ってお話を聞いてきました。
今回取材させていただいたのは、千葉県東金市の保護動物カフェ・動物保護施設『ねこのす』さんです。(取材日時:2022年7月15日)
ではさっそく行ってみましょう!
目次
『ねこのす』の場所&利用方法
『ねこのす』はJR東金線東金駅から徒歩約10~15分のところにあります。
駅からの道順はとても分かりやすく、方向音痴の私でもすぐにたどり着きました。
遠くからでも見つけやすい猫、犬、フクロウ等の動物が描かれている建物と看板。入口には色々なジャンルの置物が飾られ、訪れる人を楽しませてくれます。
『ねこのす』は1階が保護猫カフェで2階が保護動物園になっている、めずらしいお店です。料金は10分220円(税込み)+ドリンクバー代380円で2時間以上は課金なしというシステム。時間を気にせず楽しみたい方にはとってもお得ですね。
入店してからは、受付でタイムカードを押します。そしてスタッフさんからお店の利用方法の説明を聞き、案内された半個室の席へ向かいます。
店内には、猫のおやつが入ったケース、自販機のドリンクバーもありました。
ドリンクバーで飲み物を用意し席につくと、さっそく保護猫が遊びにきてくれました。膝に乗ってくる子、横に寝そべってリラックスしている子、みんなとても人慣れしていて、入れ替わり立ち代わり来てくれるので、何もせず待っていても楽しめます。
『ねこのす』の店長高浦さんにインタビュー
『ねこのす』について
『ねこのす』は、もともと都内等に動物保護施設や動物カフェを展開していたオーナーが、新たに2019年8月22日にオープンした保護動物カフェ・動物保護施設です。
その後、長引くコロナ過によって都内の動物保護施設等はすべて閉業。
都内の店舗の動物や、同じく閉業した他店舗からの動物も引き取ったため、『ねこのす』には猫をはじめ、犬やエキゾチックアニマルと呼ばれているフクロウ、カピバラ、カワウソなど多くの動物がいます。
『ねこのす』という名前の由来は猫がたくさんいるからでしょうか?
「もともとは青と白を基調とした建物があるミコノス島をイメージして、青と白の家具を使った猫カフェにしようとしていました。店名は、猫もいっぱいいるので、ミコノス島をもじって『ねこのす』とつけて。」
ミコノス島はギリシャ領にある島で、観光客に人気のリゾート地です。
「ただ、都内のお店からオブジェなどを受け継いでいったら、だんだんミコノス島のイメージから離れていきました(笑)」
店内にはハワイやジャングルをイメージしたオブジェなどがたくさんあり、確かにミコノス島のイメージからは離れていますが、とても味がある内装です。
天井から吊り下げられた、ハンモックのようなキャットウォークもおしゃれです。
驚いたことにこのキャットウォークはもちろん、それ以外の内装もほとんど手作りだそうです。
「お金をかけられなかったので、インパクト等を使って、私ともう一人とオーナーのほぼ3人で工事していました。たまに都内のスタッフが手伝いに来てくれましたが、2階もあるので大変でした。」
2階にはフクロウ、カワウソ、カピバラをはじめたくさんの動物がいます。都内ではこういったエキゾチックアニマルの保護をメインで行っていたそうです。
〈フクロウがいる神秘的な空間〉
高浦店長と保護動物たちとの出会い
高浦さんは、『ねこのす』のオーナーが運営していた都内の店舗で、2016年頃からアルバイト店員として働き始めたそうです。
高浦さんに、動物保護施設で働こうと思ったきっかけを聞いてみました。
「実はずっとスポーツをしていて体育教員志望だったんです。ただ教員になると、土日のスポーツの練習ができなくなる。そこで、その時点ではスポーツに集中しようと決め、平日できる仕事を探しました。小さい時から動物全般が好きだったので、動物に関わる仕事がしたいなと思ってアルバイトから始めました。日々動物たちと触れ合って、今ではこの仕事は天職だなと思えるようになって、教員はもういいかなと思うようになりました。」
高浦さんはアルバイトの面接の際、オーナーにスポーツの事も話して理解してもらったそうです。そして都内の店舗で店長になり、今では『ねこのす』の店長兼役員になっているそうです。
平日は『ねこのす』の店長、土日はスポーツの練習と忙しそうですが、好きなことを両立できているのが素晴らしいですね。
ちなみにそのスポーツは、アルティメットという、フリスビーを使って行う競技なのだそうです。世界大会もあり、実際お話を聞いた次の週に、アメリカに行かれると聞いてびっくりしました。オーナーも応援してくれているようですよ。
『ねこのす』の猫たち
ねこのすには保護猫がたくさんいますが、どういった経由でこちらに来るのですか?
「私たちが捕獲するのではなく、連れてこられた猫を保護する形です。もちろんケージなどが空いているか、その他の事もご相談して引き受けています。様々な理由で連れられてこられる猫がいます」
猫を引きとってほしい等の連絡は頻繁にありますか?
「子猫が産まれるシーズンには、どうしたらいいですか?という連絡は結構あります。連絡が多い時は、スタッフで分散しながら通常業務と並行して対応しています。」
受付で利用方法を聞いているとき、いきなり肩に乗ってきた猫がいました。肩のり猫として人気のクロちゃんだそうですね。クロちゃん以外にも膝に乗ってくる子もいて、みんなとても人慣れしていますね?
「よく、猫カフェめぐりしている方に、なんでこんなにみんな懐いているんですか?って言ってもらえるんです。そこが一番のうちの売りですね。」
元野良猫だったりすると、懐く子と懐かない子がいますよね?
「はい。懐かない子は、人が怖くないよっていうのが伝わって、距離が縮まって、触れ合えるところまでいったらスタッフ猫として出すようにしているんです。そうすればあとは先輩猫達が教えてくれるので。例えば、こういう風に膝の上に乗ったら撫でてくれるよとか、おやつのねだり方とか。先輩猫を見て学んでいるんだろうなって思います。」
保護猫たちの詳細プロフィールについては、スタッフに聞くか、SNSにアップされているそうなので、興味がある方はぜひチェックしてみてくださいね。
〈肩のり猫のクロちゃん〉
〈人懐こいカツオくん〉
里親募集・トライアルについて
私がお店に伺った時は7月。『ねこのす』では120匹~130匹いるうちの20~30匹の子猫が里親募集されていました。
子猫が多い季節は、保護、譲渡数が共に月30匹を超えることもあるそうです。
子猫はケージの中でスヤスヤと寝ていたり、他の子猫とプロレスごっこをして遊んでいたりして、とても愛らしかったです。
ちなみに大人猫が里親募集中の場合は、スタッフ猫と間違えないよう首輪をつけて区別されています。
里親募集についてはHPや店舗などで確認をしてみてくださいね。
里親希望の場合、トライアルを申し込む流れになります。
トライアルというのは、気に入った保護猫を一定期間お家に迎え入れ、一生一緒に暮らせるか、環境、相性なども含めてテストすることです。
トライアルを申し込んだ際には、高浦さんや他のスタッフが立ち会うそうです。
めでたく里親になってからも、里親さんには心配な事や相談したい事も出てくると思います。その際はSNSで繋がったり、電話で連絡を取れるようになっているそうなので、安心ですね。
〈元気いっぱいの子猫〉
〈まったりモードの子猫〉
コロナ過で打撃を受けクラウドファンディングに挑戦
コロナ過では大変な思いもしたそうです。
「コロナ過になって初めの方は、売り上げがガクッと下がりました。コロナ過でもお店を閉めるとマイナスにしかならないので、ちょっとでも利益があればと思い開けていました。」
やはりコロナの影響は大きいですよね。
動物のお世話があるため、お店を開けても閉めても店舗代に加えて人権費がかかります。
『ねこのす』はこれまで※2回クラウドファンディングを行ったそうですが、大きな支援にはなりましたか?※2022年12月現在、10月に3回目のクラウドファンディングを実施済み。
「クラウドファンディングがなかったらここはどうなっていたか…というくらい助けられました。2回目の時は、なかなか審査が通らなく諦めかけていたんですけど、なんとか12日間だけ期間がもらえて。がんばって広めたらたくさんの人から支援が集まりまって嬉しかったです。」
現在もコロナ過、物価高、集客が増えないなどいろいろな問題があると高浦さんは言います。それらを解決するためにも、もっとたくさんの人にお店のことを広めたいそうです。
「もっとたくさんの人に、このお店のことを知ってもらいたいです。保護猫カフェはもちろん、2階にも直接触れ合える動物がいるので、ふれあい動物園に行く感覚で楽しんでほしいです。」
『ねこのす』には入店の際の年齢制限がないそうなので、小さなお子様でも楽しめますよ。
『ねこのす』で働いていて嬉しいこと
最後に高浦さんにこの仕事をしていて嬉しいなと思うことを聞いてみました。
「嬉しくなる瞬間は、新しく猫を保護して、その子の新しいお家を見つけてあげられた時ですね。飼い主さんを選べない猫の代わりに、猫にとっていい家族を見つけてあげられることが嬉しい。あとは、長い時間かけて愛情注いだ結果、シャーシャー言って警戒してどうしようもない子が、心を開いてくれた時が嬉しいなって思います。」
また、お客様がみんな良い方ばかりなので、とてもありがたいそうです。
保護動物を助けたり、保護動物の里親になりたいという人は優しい人が多い印象がありますよね。『ねこのす』には、そういった素敵なお客様がたくさんいるんですね。
まとめ
『ねこのす』にいる保護猫はとにかく人懐こい子ばかりです。穏やかに昼寝をしたり、時にはじゃれ合ったり、そんな保護猫がいるやさしい空間で心身共にリラックスできます。
十分リラックスした後は、2階に行ってエキゾチックアニマルと触れ合うという貴重な体験が待っています。
店長の高浦さんはじめ、スタッフの方はとてもフレンドリー。アクセスも良く気軽に行きやすいので、ぜひたくさんの人に遊びに行ってほしいなと思います。
ねこのすHP
コメントを残す